こんにちは、東洋の委員長です。
新しく始める企画で、東洋医学を考察するシリーズと題して
東洋の委員長が、日々生活している中で思いついたり降ってきたりした
東洋医学に関する考察を、気ままに述べるシリーズです。
第1回目は、五行で属性を忘れるなです。
五行で属性を忘れるな
おそらくこれを読んでいる皆さんは、あはき師や漢方など、東洋医学の関係者だと思います。
皆さんが、弁証を立てる時、「どの臓腑」が虚しているか実しているかと考えると思います。
梅雨の季節に体調が悪くなる人は、湿邪に弱いとか、脾が弱いとかですね。
しかし、その前に考えるべきは「五行の属性」ではないかと私は思います。
五行の属性の存在を飛ばしていないか
五行の属性とは、木火土水金の5つの属性のことですね。
これを第一に捉え、それを人体に当てはめたときに、「脾」が弱いなど判断するのが
弁証論治だと思うのですが、私も含め多くのかたが
梅雨に下痢っぽい→湿邪に犯される→脾が病んでいると
ある種、短絡的に捉えてしまっていることが多いのではないかと、先ほど急に思い、今書き記しています。
蔵象論の前に、陰陽五行論を考える
「陰陽五行論」という言葉の通り、「陰陽論」と「五行論」が合わさり、それを人体に当てはめた時
肝心脾肺腎など、五臓の概念など「蔵象論」が生まれたのだとすると
やはり先に考えるべきは、「どの臓腑か」ではなく「どの五行が影響しているか」だと私は思うのです。
便秘と五行論
ここ数日、私く便秘で悩んでおりました。
兎糞状までは行かないが、コロコロと形の小さいものでした。
新版 東洋医学臨床論の「便秘」の記載を読むと、東洋学的には
熱秘・気秘・虚秘・冷秘の4種類に分けられ、それぞれの病因病機が書かれているわけですが
それを見て、便の形状や寒熱がないこと、胸脇苦満などの気滞の所見が見られることから
肝から派生した、「気秘」だろうなと思っていたわけです。
しかし、その時急に気付きました。五行を置き去りにしていないかと。
臓腑の前に、五行を考えよ
肝鬱気滞っぽいので、結局は同じことだとは思うのですが
「肝気が実しているな」の前に、ここ数日の生活状況を五行に当てはめると
まあ、色々と縛られていたなと思うわけです。
木の性質「曲直」が、発揮できない状況だと考えると、気が停滞し、肝に影響が及び、便通に派生すると便秘になる。
この五行の属性のことを、私たちは忘れがちなのではないかという話です。
五臓の前に、五行
要は、人の身体を見るときに、考えるべきは
「脾が弱い」など、どの臓腑が病んでいるかではなく
この人の性質・体質は「五行」に当てはめるとどれか?
この人は、「木」の人なのかな?と言った
「五行の属性の視点を忘れるな」というのが今回の考察です。