今回ですね株式会社ナカニさんの取材に来ております。
それでは自己紹介お願いします
株式会社ナカニ3代目代表の中尾と言います。よろしくお願いします!
我々「あはき師」はこの手ぬぐいを毎日使う職業だと思うんですが、実際手ぐぬいについてあまり詳しく知らない方も多いかなと思いましたので、今回取材に伺わせていただきました。
「あはき師」ですか?それが今何かなと思ったんですが
「あんまマッサージ指圧師」の「あ」、「はり師」の「は」で、「きゅう師」の「き」で「あはき師」となっております。
初めて聞きました。専門用語ですかそれは?
そうかもしれないですね
なるほど。その皆さんが絶対手ぬぐいが必要ってことですね。
それで今回取材に来ていただいたようで
そういう事です!そこで手ぬぐいについて、詳しくお伺いしたいと思いまして。
ありがとうございます!
株式会社ナカニについて
早速なんですがまず株式会社ナカニさんということですが会社について、詳しくお聞きしてもよろしでしょうか?
うちは手ぬぐい屋でえお店で手ぬぐいを売ってるんですけど
元は染工場という工場なんですよね、なのでま創業としては今年で57年目なので1966年に創業した会社になります。
私の祖父が創業した会社なのですが、私自身が今の会長の(2代目の先代の社長さん)の娘の旦那なんですよ
ああなるほど!娘さんの旦那さんなんですね。
ということは婿養子の立場として名前も変えて、今この3代名として2021年から代表しております。なので創業は私の義理のおじいちゃんがしたというのが、ナカニの創業のきっかけになります。
中尾社長の義理のおじい様が創業された会社ということですね!
ありがとうございます。
創業当時は、全国の剣道の頭に巻く手ぬぐいとか、お祭りの手ぬぐいなどの下受けとして「染めだけ」をやってたので、販売はね一切してなかったんです。
販売はされてなかったんですね!
こういう業界っていうのは一社大きな商社さんがあって、そこが仕事を全国からこうま取ってくるわけですよ。それを各工場に流すみたいな感じなんで、創業の当時のうちの取引先は一社だけでした。
「にじゆら」ブランドについて
染め屋さんとして、やられていたのですね。
「にじゆら」というブランドについても伺ってもよろしいでしょうか?
そんな中で40~50年やってきたんですけど、うちがやってる物造りって結構手仕事も多くて、要は職人の技術が必要なんです。
すぐに例えばじゃあ機械のボタンを押してできるものじゃないので、やっぱ数年修行してはいえ技術を身につけていかないといけない。その中でやっぱり職人もどんどん高齢化してくので、やっぱ若い人に継がないといけない。
けれども若い人たちが入ってくる業界じゃなかったんです。染工場っていういわゆるまえ3Kとも呼ば言われちゃうぐらい、なかなか大変な工場なので、ましてや「注染」という技術を知ってる人がいない中で後継者不足っていうのもありました。
後継者不足ですか、、、
でもウチは「注染」を続けたいということで、じゃあどうするのかということで自社でブランドを作って、販売も自社でやって「注染」ってこんな技術ですよっていうのをはい知ってもらうためにブランドを立ち上げました!
デザインは極力若い人が好むような、デザイン性の高いものにしてはいえブランドを立ち上げたのが、「にじゆら」というブランドで先代の社長(現会長)がやろうぜと言って始まりました。
先代の社長さん発信だったんですね。
そうなんです。「にじゆら」を立ち上げた時に私もこうちょろちょろいてた感じで、それが15年前ですねなので小売りをやりだしたのはここ15年ですね。元々は染めの工場で、「注染」を残すために小売り含めて自分たちで売るっていうのをやり出したのがこの15年というそんな流れになっております。
にじゆらの店舗数について
「注染」の技術を残すためのブランド「にじゆら」小売りも始めたと伺いましたが、
実店舗って何件ほど出されているのですか?
店舗は今直営点として6店舗ほどはいえ展開してます。
元々は大阪の中崎町っていう、ちょっと梅田から歩くんですけどそこが1号点ではいスタートしました。いまはあれよあれよと、関西だと京阪神って言われる京都・大阪・神戸にお店を置いて、それからち東京の方にもお店を出して、また大阪にも店舗を増やしてという形で、全部で6店舗展開してますね
https://nijiyura.com/shop/
6店舗ですね、ありがとうございます。
あとはネットショップとかもやられたりしますか?
ネットショップもやっております!特にネットショップ自体はもう結構10年ぐらい前からやってはいたんですけど、コロナ禍になってから特にうちのインスタのフォロワーも一気に倍増していった関係もあって、結構オンラインショップで全国購入いただくお客さんも増えてますね。
手ぬぐいについて:基礎知識
続いては、手ぬぐいについて詳しくお聞きしたいなと思います
我々あはき師は、貰ったものを使ってるとか、手拭いっていうのがどういうものななのかっていうのを知らないと思うので、ぜひそこからお話いただけたら嬉しいです!
割と深いところから話してってもいい感じですよね
もちろんです、お願いします!
今でこそ、タオルがあってまお家の中だとフェイスタオルそれからバスタオル含めてタオルを使う機会が多いと思うんですけど、元々このタオルがない時代っていうのは、全てこの手ぬぐいで済ませていたので、手ぬぐいが一般庶民の中に普及していたのは江戸時代ぐらいまで遡ります。
おお!江戸時代までですか。
そうなんですよ。江戸時代までは綿花の栽培ってあの国内であまり行われてなかったんで、綿花自体も言うたら中国とかから輸入するものだったんです。
結果、高価なものになるので一般庶民の間ではあんまりまだ綿花の手ぬぐいって広まってなかったのが、江戸時代で国内で綿花の栽培がされるようになってきてから一般的に広く使われるようになったという経緯があります。
綿花自体が、国内であまり栽培されていなかったんですね。
そうなんです。
用途としては、元々は本当に白い生地で「さらし木綿」と言われるものなので、それこそ本当にタオルがりに使って体を拭く、それから雑巾、あとはビリッと咲いて紐にできたりとかもしますし。
割くんですか!!
割いちゃいます!バっと割いて例えば包帯にできたり、鼻緒が切れたら手ぬぐいで結ぶみたいな使い方をされていて、日本人の日常生活に欠かせなかったのが手ぬぐいというものになります。
手ぬぐいにデザインが入り出したのはいつ頃なんですか?
一応私が聞いてるのは、江戸時代に歌舞伎役者の人が自分のお得意さんとかに「自分の顔」を入れて、手ぬぐいを配って回る、プレゼントするっていうのからと聞いています。
そこから、さらし木綿の手ぬぐいにデザインが入るようになってきたらしく、歌舞伎役者がきっかけと言われてますね。
なるほど!江戸時代のノベルティでもあったわけですね
そうですね、あとは紙の代わりに広告物であったわけですね。
ああー!広告ですか
手ぬぐい専門店にじゆら ONLINE-SHOPより引用
紙印刷するより実用ですし、チラシとかだと情報をね取ってしまうと後はもう捨てるしかないじゃないですか。
でも手ぬぐいってそのまま実用的に使えるので。
もしかしたらお持ちの方もなんですけどなんか銀行とかどっかの酒屋の名前が入って電話番号入ってたりする点てはいあれって結構昔ながらのますはいまお配り物のご挨拶用プラスチラシがりにもなるっていうことでえなのでえそんな言っていくとね用途的にはもういろんな使い方がはいもうあの1個に限らないっていうのではいなので手ぬぐいて結構英語で言うとマルチクロスってマルチクロス言い方をねえしてもはいえいいぐらい実は万能な万なはいえ使い方ができるというのがこの手ぬぐいですかね
確かに、タオルの代わりとおっしゃってましたもんね。
そうです!もしかしたら、皆さんがお持ちの手ぬぐいもなんかも、銀行とかどっかの酒屋の名前が入って電話番号入ってたりするあれって結構昔ながらの、お配り物のご挨拶用+チラシ代わりにもなるっていうことですね。
手ぬぐいにはいろんな用途があるんですね!
用途的にはもういろんな使い方がありまして、もうあの1個に限らないっていうので、英語で言うと”Multi Cloth“(マルチクロス)ってしてもいいぐらい実は万能な使い方ができるというのがこの手ぬぐいですかね。
“Multi Cloth“(マルチクロス)ですか!めちゃカッコいいですね。
タオルと手ぬぐいの違い
ちょっとさっき話に出たタオルと手ぬぐいとの違いで言うと、タオルはパイル生地になってモコモコしてるので給水性は正直タオルの方がやっぱりいいと思います。私も別に家でお風呂出た後手ぬぐいで拭いてるわけじゃなくて、全然バスタオル使いますし笑
流石にバスタオル使われるんですね笑
はい!笑 ハンドタオルとかフェイスタオルは結構手ぬぐいは使うんですけどね
なので違いとしては、やっぱりその薄さ・厚み
これは見ただけで分かると思うのですが、その中で機能的なとこでいくと当然やっぱりタオルはやっぱ給水性の高いものなんです。
手ぬぐいは、給水性はあるんですけど、こう全身を拭くのには少しもの足りないけど、その薄さがやっぱり手ぬぐいの良さだと思います。
多分ね、普段使わられているから、分かると思いますが、薄さが大事なんですよね。
本当に思うんですけど、「あん摩」ってタオルじゃやっぱりできないですよね。
人にかけて、その上から揉むとなるとタオルだとやっぱり厚みがあるので、、
やっぱり、こうダイレクトに圧が伝わらなさそうです笑
はい、あとは温度とかもあのタオルの厚みで伝わりづらいんですよ!
手ぬぐい越しだと、身体の冷えてる場所って分かるのですが、タオルになるとさすがに厚みがある分、分かりづらいので。
なるほど、そういう情報は初めて聞きました。知らなかったです!なのでやっぱその薄さがポイントかなとは思いますね。
その薄さでメリット/デメリットがあるのは、やっぱり、かさばらない事だと思います。何枚持っててもコンパクトに収納できる、あとは乾きが早い乾きが早いのもポイントやと思います!
あああ!確かに、乾きが早いのポイントですよね
(あん摩する時は、患者さんごとに手ぬぐいを毎回変えるので、めちゃ使います笑)
乾きが早いのも、薄さから来てるところだと思うんですけど、乾きが早いので、臭くなりにくく衛星的ですよね。やっぱり水分吸って時間が経つとどうしても雑菌とかが繁殖しやすいのですが、手ぶぐいは、薄くて乾きが早いので、やっぱり清潔感があって臭いもつきにくいのが手ぬぐいのうメリットかなとは思いますね
なるほど勉強になります!
ちなみに伺いたかったんですが、手ぬぐいの端っこがこういう風にほれてるじゃないですか?
これはどういった理由なんでしょうか。
さっきちょっとお話してたんですけど1つは、ここで割くためです。
ああ!割くためですか!!!
こうやって端が切れてたら、このままビリッと避けちゃうんです。割くために切りっぱなしというのが1つと、あとは縫製していないので、乾きが早いんです。
この折り返しの部分の事ですよね
そうです!この部分を縫製してしまうと、乾きが遅くなってしまうので、基本的に切りっぱなしにしてたらここも乾きが早いんで、こうなっています。
なるほど!あえて、切りっぱなしにしているんですね
あと、この出る糸はもう取ってもらって全然いいんです
あ、これって取っていいもん何ですね!
これはもう、ブチっと手で切っちゃって大丈夫です!しかも、大体出るのは横糸なんですよ。生地ってこう横と縦で編んでるのでその横の糸だけがこうやってほれてくるんでねそれはもうバリバリと取ってもらっていいです。
手で引きちぎって良いんですね笑笑
そうすると、こういう風にフリンジみたいになってこれで止まってほつれ無くなりますから
そうなんですね!
なので、ある意味ほつれを取って育ててもらうと思って頂けたらと。
なるほど、、、「手ぬぐいは、ほつれを取って育てる」ですか
こういうのも、手ぬぐいの使い方の1つでありますね。
いつも糸切りバサミとか、ちゃんと布用のもので切ろうかなって思ってたんです
いやいや、いいんです笑 そんなものじゃないんで
手ぬぐいは日常生活で使うものなので、慎重にやらなくても、手でやっちゃって大丈夫です!
これは、めっちゃいい情報を聞きました!
(学生時代、切っていいのかなって悩んでました笑)
わざわざハサミなんか使わない方が逆にいいですしね
今のこの切り方だと確かにこっちの方が、ほつれなさそうですよね
手ぬぐいのサイズについて
手ぬぐいを広げたついでに行くと、サイズについてよく聞かれることもあるのですが、特に企画って実は決まってないんです
決まってないんですか笑
長さは大体90cmなんです。ただ、剣道の手ぬぐいとかは1mあったりとか若干長いですね。
面下として頭に巻くので。ちなみに、これも薄さが理由で手ぬぐいが使われていますね。
確かに、タオルじゃできないですね!
頭に巻く時は、やっぱ頭は90cmだと回り切らない人もいるので、1mで作ることもあるんですけど、長さは大体90cmです。
幅はどうなんでしょうか?
幅は、にじゆらは37cmです。
ただ幅はいろんな種類があって、33cm・35cm・37cmと大雑把にいうと3種類あります。
結構、細かく刻みますね
それぞれ生地の目の細かさが違うんですよ!
並べるとわかるのですが、37cm・35cmは結構l、目の詰まってる生地が多いですね。
うちは浴衣でも使われるような、目の詰まった結構いい生地を使ってます。これが37cmですね!
結構、しっかりした生地ですよね
33cmはもうちょっと目が荒いです。
結構ね糸が太いのでちょっと、ごわっとした感じになっていて、それは文生地(ぶんきじ)と呼ばれています。
その分類があるんですね!
「文(ぶん)」「岡(おか)」「特岡(とくおか)」とあります!
今いってたサイズで言うと、「文」が33cm、「岡」が35cm、「特岡」が37cmになります。
という事は、これは「特岡」という事ですね。
そうです、これは特岡です!
なので使われる時にちょっと幅の広い生地がいいなっていう時は、目の詰まった「特岡」を選んで貰えたら良いと思います。
なぜか、関東と関西では使う生地が、割と偏っていて関西はこの特岡とか岡など、目の詰まった生地が多いです。逆に、関東は文と呼ばれる33cm幅の生地が多かったりしますね。
ああ〜確かに、関東で買う手ぬぐいちょっと細い印象ありましたが、そうゆう事でしたか!
そうです幅が、これと比べると4cmほどやっぱり短いんですよね。そのような違いがあったりします。
これはハッキリ言って好みです笑
ただ、目が細かいということは使われてる糸の本数が多いということです。なのではい手ぬぐいて起毛するんですね。
なので糸の本数が多い生地ほどほど、起毛する量が多いということで、柔らかさは実はこういう「岡」とか「特岡」の方が使い込むと柔らかいのかなって、実験とかしたわけではないですが、個人的には実感としてあったりします。
実際に我々これ毎日使うものですので、確かに買った新品と風合違うなと思う時ありますが、それは糸の起毛によるものかも知れないと言う事ですね。
ついでにタオルの違いもう1つ追加すると、手ぬぐいは使い込むほど良くなってきます、起毛してして柔らかくなる。
タオルはどうしてもパイル生地にしてるのでちょっとやっぱくたびれてきますね
なので、手ぬぐいはこう育っていくというか、使う程良くなっていくのが、タオルと手ぬぐいの違いなのかもしれません。
使い込むほど味が出るというやつですね!
そうです!味が出るし、愛着も湧くので、そういう意味でもタオルとの違いはあるかなと思います。決してそのタオルがダメなわけじゃないですし、タオルの方が給水性はありますよね。
あとはタオルは用途が明確で、バスタオルなら身体を、フェイスタオルなら顔をと使い方は割と決まっていますが、手ぬぐいに関しては、本当にマルチに使えるっていうのも、やっぱ良さなのかなとは思いますね
手ぬぐいの素材について
今お話を伺う中で「さらし」という名前が出てきたと思うのですが、「さらし」について教えていただいてもよろしいですか?
それで言うとちょっと染めの工程にも触れるのですが、うちの工場がやってるのは染めです。
なので、白い生地の上にデザインを色を乗せるっていうのがうちの工場でやることなんですけど、この前工程に「晒し」っていうのがあります。
「晒し」と言う工程があるんですね!
「和晒」と呼んだりします。そしてその前に、生地を織る機屋(はたや)があり、機屋が織った生地を真っ白にする。生地についてる不純物を取り除いて、染めれるようにするのが晒屋さんです。
そうすると、最近よく聞く「生成」と呼ばれるものは、晒す前の生地のことなんですか?
そうですね!いわゆる未晒しの生成の生地をそう呼んでいます。
ちょっとまた深い話するんですけど、糸って元々は綿花っていう、ふわふわっとした綿があって、あれを糸にします。糸にする時って、あの綿をくりくりしながら引っ張ってくわけです。
ただ、何もつけないで引っ張ってたらプツンと切れてしまうので、それを切れないようにのりを塗りながら糸にしていくんです。
糸って、のり塗ってるんですね!!
知らなかったです。
しかも一本一本ね
ええ!一本ずつですか!!
そうなんです!そうすると、できた糸っていうのはノリがついているので黄色ですよね。
そのできた黄色の糸を使って、次は機屋が生地を折っていきます。
なるほど、糸から布にするわけですね。
はい!シャトル織機と呼ばれるガッチャン・ガッチャン動いてる織機で出来上がった生地が「生成」なりなんです。
それであの色合いになるわけですか!
糸自体が黄色なので、その糸で編んでいったら黄色の生地ができます。それはノリが塗られてるので上から染料をかけても一切給水しません。要はコーティングされてるような感じなんで吸いもしないです。なので、さらしをしてない生地は染屋からしたら何の役にも立たないです笑
吸いもしないんですか!
なので、私たち染め屋は、さらし屋さんがないと生地を染めれないので生地を買ったらさらし屋さんに入れるんですね。
さらし屋さんのやる工程は、大きな釜に生地をつけてつけて、2・3日お湯でグツグツ炊いて生地を白くしてはいでようやく染め屋に入ってくると。
それがいわゆる「和晒」というものになります。
要は「晒し」というのは、生成りの生地を白くすること、それで出来た生地を「晒し生地」と呼んでいます。
確かにこれは真っ白ですね
これも、さらす前は黄色なんです。
昔は川で洗ったりとかして、河原に生地を置いて「晒す」ということをしていたのですが、「晒し首」などはこの言葉から来てたりします。
この工程の「晒し」が先なんですね!
そして、この辺り堺は、江戸時代からさらしが盛んに続いている地域なんです。
なんと江戸時代からですか!
あとは、ちょうどここにガーゼもあるのでお見せします。少し透け感が見えるかなと思います。
ガーゼの素材も、同じ綿花100%なので製法としてもあまり変わらないんですけど、もっと糸が細くて柔らかいんですね。
ガーゼはやっぱり柔らかいので、今の時期だと首にま巻いたりとかして使われる方もおられます!
(撮影:2023/12/03)
これは素敵ですね!!
実際に私もガーゼの手ぬぐいを愛用していて、実は今日持ってきているのですが、あん摩をする時にその感覚が過敏な患者さんて結構いるんですよ。
なので逆にガーゼがいいっていう方がいて、わざわざ買いに行ったくらい、このガーゼの手ぬぐい愛用しております!
やっぱり風合が柔らかいですし、肌に当てた時の感覚もゴワゴワしないのでお気に入りです。
ありがとうございます!
そういう意見も初めて知りました、面白いですね!
確かに違う畑から同じ手ぬぐいを見ると、面白い違いも見えてきますね
そうなんですよ、だから本当に手ぬぐいの使い方って一応こっちからは「こんな使い方ができますよ」っていうのは提案できるんですけど、結構個人個人でいろんな使い方本当にしてはります。
後ろにもちらっと映ってますけど、ワインボトルに包んだり、ティッシュケースの代わりに手ぬぐいで包むなどがあります。
これめっちゃオシャレですね!!
治療院の装飾としてもピッタリかなと思います。
こんな風に壁に飾ることもできますし、お正月っぽい「葉牡丹と椿」というのを飾ってあるのですが
クリスマス・お正月・ひな祭りなど、季節にあった柄の手ぬぐい飾るっていうのも現代の使い方になりますかね。何がいいかって場所を取らないですよね!
手ぬぐい専門店にじゆら ONLINE-SHOPより引用
ああ!確かにこれも、「薄い」ことのメリットですもんね
そうですね!クリスマスツリーを置いたり、お正月は鏡餅を置いたり、ひな祭りは雛壇を置いたりってもう何せ場所を取ると。
片付けた後でもそれを保管するのでも場所を取る。しかし、手ぬぐいなら薄いしコンパクトうという事で結構飾る用途も多いです。
飾った後も、コンパクトなのは魅力的ですね
これもタオルとの違いにもう繋がりますけどね笑笑
タオルだとやっぱり、細かいデザインまでできないので。
薄いから、細かに染められるわけですもんね。
タオルと手ぬぐいの違いに関しては、こんなところになります。
注染という技術について
お話してる中で、「注染」という単語が出てきたのですが、おそらく染め方のことだと思うのですが、こちらもお聞きしてもよろしいでしょうか?
うちは一応、手ぬぐいを作ってる工場で間違いないんですけど、専門は「注染」という染め方で手ぬぐいを作ってます。
そもそも染め屋さんと仰ってましたもんね。
そもそも染め屋です!「注染」の特徴としては、手ぬぐいを見てもらうと、表も裏も染まってますよね
はい、表裏染まってます。
もしかしたら「え、表裏そのまま染まってるのは当たり前じゃないの」って思う人もいるかもしれないんですけど、実はこの表裏しっかり染めれるのって「注染」しかないです!
え、「注染」しかないんですか!
「注染」しかないんです。いわゆる「型染め」とか「プリント」含めて生地の表にしか柄を乗せません。ということは裏白いんですよ。「注染」は糸ごとしっかり裏表染めるんで、裏表のない手ぬぐいができます。
お持ちの手ぬぐいで、裏までしっかり染まってるのは全部「注染」です!これも覚えといてもらったらなと!
裏まで染まっていれば、全部「注染」と!
なおかつ、「注染」は一度に50枚ほど一気にまとめて染めちゃいます!
え、そんなにいっぺんに染まるんですか
そうです!50枚一気にこの同じ柄を、50枚一気に一度に染めちゃうというのが、「注染」の特徴です。
要は染料を「注いで染める」ので、「注染」と言います。
ということは、布を重ねて注ぐわけですね
そうです!同じ柄の布をぐわっと50枚重ねてその上から染料をドバとかけて、下から機械で吸引するんです。そのまま放っておいても、下に浸透してかないので無理やり機械で下にシュっと吸って、50枚上から下まで一気に染めるというのがザックリとした「注染」の説明です。
上から注いで、下から吸うんですか!
なので結構手で染めてるのですが、それなりに1度にたくさん染めるんで、大量生産とまでは言わないですけど、量産ができると。
確かにそうですね一回で50枚ですもんね。
裏表染まる、本染めの手ぬぐいが一度にたくさんできるというのがこの「注染」の特徴です。これ大阪の人が一度にたくさん染めるために考えて生まれた、近代の染めなんです。
近代の染めなんですね
ここ110年ぐらいかなあ、染めとしては結構若いです。
確かに先ほどのお話だと手ぬぐい自体は、江戸時代から使われていたというお話しでしたけども「注染」自体は110年ほど前からということですね。
注染の良さについて
次は、「注染」の良さについてお話ししたいのですが、プリントとまた違うところがあってプリントはいわゆる型を使って刷っていくスタイルですよね。例えば5色プリントでやろうと思うと型が5ついるんですよ。上からどんどん重ねて刷っていく。
そうすると染めならではの良さというかじわっと広がる感じっていうのは、実はプリントじゃできないんです。
あー!!そうなんですね
そうですよ。「注染」は生地の上に染料をこう注いで垂らして染めていくので、じわっと広がったり滲んだりする。あとこうグラデーションになったりするのがやっぱり「注染」の良さなんです。
なので私たちのブランド名は「にじゆら」というんですけど、「にじんだり、ゆらいだり。」から取って「にじゆら」というブランド名なんで、そのブランド名はその注染の良さをブランド名に乗せた感じなんですよね。
とても素敵なブランド名です!
うちの手ぬぐいも色合いとかグラデーションも多いですし、ぼかしも多いですし、「注染」の良さを生かしたデザインをしているのが「にじゆら」というブランドでありますね。
「滲み」ってはうちがブランドやる前って結構マイナスなイメージやったんですよ。染め物の滲みってそれだけ聞いたら失敗っぽいじゃないですか
確かに、「滲み」と聞くとそのイメージはありますね、、、
お着物の滲んでるって言われると、「ちょっとそれは、、、」っていう感じなので、元々滲まないようにとしたパキッとした染めも「注染」の特徴と言われてたんですけど、それってプリントと変わんないんですよね。
でも値段はプリントより高いし、それってじゃあ誰が良さ感じるのか?といった所から、うちは「注染」の滲みを手ぬぐいのデザインに取り入れて発信していこうということで始まりました。
「注染」ならではの良さという所ですね
このお持ちの手ぬぐいもそうですけど、私のお気に入りのビールの手ぬぐいビールとか、このグラデーションが「注染」ならではなんです。
にじゆらさんの手ぬぐいのグラデーション、めっちゃ綺麗ですよね。この泡の部分とかまさにそう思います。
こういう染めの良さっていうのが、やっぱり「注染」かなっていうのもありますし、うちのブランドの特徴でもあります。
デザイン・柄について
にじゆらさんは、本当にいろんな柄を展開されていますよね!
そうですね!コラボ手ぬぐいも販売していて、壁に飾ってあるのが、「阪急電鉄」さんとのコラボ商品ですね。
あとは関西だと有名な「海遊館」さんや「ニフレル」さん、関東だと「上野動物園」さんともコラボさせていただきました。
実は、全てにじゆらでデザインまでやっております!
デザインまでやられているんですか!?
染め手=作り手と、デザイナーの距離が近い方がやっぱいいと私たち思っています。それに加えて販売まで一貫してやっているのでお客さんの声も拾えますし直接商品をお届けできて「注染」を知ってもらいますし
それは自社のデザイナーそれから職人に反映できるっていうことで、いわゆるSPA(製造小売業)という形、社内一貫体制でやっております。
実際に僕もたまたま店舗でこの手ぐいをお見かけしてそこで「注染」っていうものを知り、そこから今回の取材のお話が繋がりましたんですよね。
お店がなかったらやっぱり知らなかったと思いますし、入り口が広ければ、たくさんあればあるほど「注染」を知ってもらえる機会も増えてくると思うので、そういう意味でもお店を持つっていうのもやっぱりうちにとっては重要なのかなと思ってます。
実際に手に取って触れたり、この風合いってやっぱ見た目だけじゃ分からないですもんね。
デザインの色合いとかも、カメラやWebなど通じて見るよりも、実物の方が生で見てもらう方が良かったりもしますし
本当にパッキリしてますもんね、この配色というかそう綺麗な色出るんですよね
「注染」は結構発色のいい綺麗な色出せます。これも職人の技術があってこそっていう所なんですけど、現場は若い職人多いです。一通り世代交代して、また次のね何十年と物作りが続けていけるようにと思ってはいものを作っておりますので、あとはその手ぬぐいは皆さんどう使われるのかという所だと思います。
中尾社長 イチオシの手ぬぐい
では、最後に中尾社長イチオシの手ぬぐいについて伺いたいと思います。
「みかん畑」という、みかんの柄の手ぬぐいがイチオシです。デザインも可愛らしくて、冬のこの時期に、お部屋にタペストリーで飾ってもらうのにちょうどいいのかなと思っています。
お正月とかクリスマスっていうともう時期過ぎちゃうとなかなか飾りにくいですけどはいこのみかんだと、ちょっと寒いなと思うぐらいまで置いといてもいけますし
手ぬぐい専門店にじゆら ONLINE-SHOPより引用
確かにそうですね笑(取材/撮影:12月3日)
この取材が公開された後に購入されても全然間に合うと思うので!
あとは、この商品は染めの難しさもあってこの背景の薄いブルーっぽい色になってると思うんですけど模様のところで白く抜けてるところ色を抜いてるんです。逆に言うと染めないんです!
逆に、染めないんですか!
「抜染」といって、染めずにブルーの色を抜く。
要は脱色ですね、髪のブリーチと一緒で色を抜いてやると、こういう白になるんです。
なるほど〜!「抜染」っという技術があるんですね
なおかつ、みかんは色を抜いた上に、さらに色を入れると。一回白にするんです、その後また色を入れるという「抜染」という技術を使っています。
葉っぱの部分とか、色抜けてるでしょう?一部だけあえてグラデーションにしており、実は結構手間のかかった染め方をしてます。
めちゃめちゃテクニカルなことされていますね!
そうなんですよ。でも、そのテクニカルな話って買う人からしたら、あんまり分かんないでしょ
そうですね、流石にこれは「抜染」して作ってるなとかは、分からないですね笑笑
その技術を知らなくても、こうパッと見た時にいいなと思えるデザインにするっていうのも「注染」をどんどん新しい人に知ってもらうためのコツだと思います。
「技術すごいでしょ?」っていうのは、書いてからしたら「、、、で?」っていう話で笑
確かに、そういう話が好きな方もいらっしゃいますが、まずはデザインを見て買われるわけですもんね
そうです!まずは「注染」の手ぬぐいとか知らない人たちが、パッと見て「すごいデザインいい」「お部屋に飾りたい」と思って貰えるような柄にするっていうのが、やっぱり「注染」をこの先うちもやり続けることの1つでもあります。
なるほど。
是非、「あはき師」の方々は手ぬぐい普段からお仕事で使われると思うんですけど、そこに1個ちょっとこうデザイン性だったりとか、染め方の違いとかそういう部分も少しこう知ってもらった上で、お店で使う手ぬぐいを選んでもらうのも面白いですよね。
話題のタネにもなりますしね!
なので「あはき師」のみなさんにも、必需品である手ぬぐいをもっと深く知っていただいて、染め方からデザインから是非こだわって選んでいただきたいなと思ってます。
そうですね、実際にこれ治療院の内装として飾るのもいいですし
それ飾り終わったらそのまま実際に実用的に使って、次の時期は新しい手ぬぐいを買うのも面白いかなとは思いますね。
院内も鮮やかになりますし、本当患者さんと話題のタネにもなると思います。
その時に、この取材記事を見せて頂き
「手拭い」「注染」「あはき師」を広められたら凄く嬉しいなと思います。
最後に
手ぬぐいブランド「にじゆら」さんを取材させていただいたのですが、オンラインショップであったり、実際の店舗で実際に手に取って是非確かめてご購入頂けたらと思います!
中尾社長、今回はありがとうございました!
こちらこそ、ありがとうございました!
にじゆら 商品案内
取材で紹介があった商品の、オンラインショップのURLになります。
ぜひご覧ください!
オンラインショップ
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https://nijiyura.net/items/5d86c98e745e6c0d06a0aff7
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https://nijiyura.net/items/5d8bea29745e6c2f7b786c1a
みかん畑
https://nijiyura.net/items/5d8bea29745e6c2f7b786c1a
葉牡丹と椿